夏休みに入って子供達が昼に家にいるようになった。昼休みに二階の自宅に上がると、次女が友達と通話アプリでキャッキャしながらゲームをしているようで、私が上がった事に気付いていないようだった。
母ちゃんが薬局勤めに行く前に作ってくれた昼食のクリームパスタを温め直していると、「ガチでキャンプ、ウザい」という次女の友達との会話が聞こえた。
心臓が凍りつくかの如く衝撃で、しばらく呆然とその場に立ち尽くした。
そうか、キャンプ、ウザかったのか。そうだよな、もう中二だから家族より友達と遊んでいた方が楽しいよな。一般的な場合より結構付き合ってくれた方かも知れない。
子供達と一緒にたくさんキャンプできて、良い思い出になった。うむ、いずれこうなるとは分かっていたさ。寂しいけど仕方ない。
せっかく母ちゃんに作ってもらったのに、あれこれ考え事しながら食べたクリームパスタは味は分からなかった。
夜。両親が差し入れてくれた夏野菜の天麩羅をみんなでつついた。蚊取り線香のいい匂いと冷たいビールは心を癒してくれた。
ずっと前から今週土曜日は海キャンプの予約を入れてあった。これが次女との最後のキャンプになってしまうのだろうか。釣りが好きだから最後にふさわしい。気持ちが少し落ち着いたので、勇気を出して次女の本心を聞いて、今後の事を考えよう。
「昼休みに聞こえたんだが、チビはもうキャンプ嫌だったんだ?」
「ん?なんで?」
「なんか、昼に友達と話してたじゃん。ガチでキャンプ、ウザい。って。」
「あ〜、あれ、スプラ(スプラトゥーンというゲーム)の武器の事だよ。テントみたいな武器で通称キャンプ。」
「は、はへ!?ズコーッ!」
「草」
ゲームに出てくるキャンプという強力な武器の事を、友達とガチでウザいと話していたようだった。
という事で無事にウキウキ気分で海キャンプに行けた。
美しい山と海に囲まれた素晴らしい場所。
汗だくになって設営した後、シュノーケリングを楽しんだ。
キンキンに冷やした患者さんに頂いたミニトマト。
身体のほてりを見事に冷ましてくれる。
晩飯は焼き鳥。
残り火で線香花火を楽しんで、圧倒的な美しさの星空と流れ星を観察してから寝た。
翌朝はロックフィッシュ。
開始5分でソイ、ガヤが3匹釣れた。
30分で本日の晩御飯分が釣れたので撤収。
帰ってから釣った魚を余すところなく頂いた。
自分で釣った魚は格別でしょ!
一番満喫してるっぽいのは次女のような気がした。
ガチでキャンプ、ウザくなくって良かったですわ…。