感動した。
まさに夢の国だ。
俺の治療院も患者さんに感動を与える夢のある治療院にしよう。
バイオレンス治療院からミッキー治療院に屋号を変更した。
ミィキィー治療院になってしまったが、まあいいだろう。
細かい事を気にしないのが俺の良いところだ。
患者さんが来た。
膝に水がたまって、病院で何度抜いてもすぐにたまる。
歩き始めが一番痛いとの事。
膝の痛みも色々な角度からみなければならない。
色々なパターンがあるのだ。
この方はどうなのか…
股関節…
大転子が外側に飛び出し、大腿骨が外旋している…
脊椎のカーブの異常による大腰筋の過緊張だな。
内側広筋も引き伸ばされて弱化している。
足関節…
内返しの慢性捻挫状態だ。
これでは間に挟まれた膝が問題を起こしてしまうだろう。
患者さんにこれらの事を分かりやすく説明した後、施術の説明をした。
「膝の水は必要があって溜まってます。
今の様な捻れた状態で使われると膝の軟骨が擦れて損傷し、骨が変形してしまう可能性があります。
そうなってしまうのを防ぐ為に身体は水を出して膝を保護しています。
でも水が溜まっていると辛いですよね。
捻れを取らなければ何度も溜まってしまうので、根本的な捻れを修正させて頂きます。」
「あ、はい…(ーー;)」
捻れを修正。
「立って歩いてみて下さい。」
患者さんは恐る恐る歩き出した。
「…!痛くない…です(ーー;)」
「何回か施術すれば改善すると思いますよ。」
きっと感動したであろう。
ディズニーランドみたいに夢を与えるのがミッキー治療院の仕事だ。
「あ、はい…(ーー;)」
?
痛みが取れたのに何故不安そうな顔をしているのだろう。
「何か他にも不安な事がありますか?」
「いや、あの…、先生の格好が…(ーー;)」
俺の格好が不安?
髭が怖いのかな。
何故かは分からないが、夢を与える治療家になるにはまだまだ修行が必要なようだ。