この物語はフィクションであり、実際の鍼治療はとてもソフトですのでご安心下さい。
イラストは長女との合作です。
俺は一寸法師。
邪悪な人喰い鬼にさらわれた姫を救うというミッションを遂行中なのである。
ここが鬼の住む洞窟か。
コラ、てめえが鬼か?
「………。」
姫返せや、この野郎。
「なんだぁ、ずいぶんと威勢のいいチビだな。
グフフ、そんな細っこい針でどうする気だい?」
「捻り潰してくれるわー!」
このディスポ鍼一本で充分や。
「ぬう…頭の芯に響いた。だがどうってことねえ。気持ちいいくらいだぜ。」
「………。」
「あれ?
なんかスッキリしたぞ。
僕ちゃん、人を食いたいって気持ちがなくなったよ。」
姫返さんかい。
「姫さまですね?ささ、どうぞ奥にいらっしゃいますよ〜
足元悪いからどうぞお気をつけて下さいね。」
「一寸法師、助けに来てくれたのね。
ありがとう。きっと来てくれると思ってたわ。」
おう、けえるぞ。
「あ、そうそう。
鬼の持ち物から打ち出の小槌っての見つけたんだ。
都市伝説では、これであなたを叩いたら私と同じ大きさになれるんじゃね♪」
「え〜〜い❤︎」
ひでぶ!
一寸法師の冒険は終わった。
第一部 完