この物語はフィクションです。
神出鬼没の鍼灸師「K」をご存知だろうか。
群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、
鍼灸師のライセンスと叩き上げのスキルだけが彼の武器…
そんな彼と多くのクライアントとのドラマチックな物語である。
悔井寺(くいいじ) はる子(9歳)
「食欲の秋だな〜。ご飯が美味い!」
「ず、ずず〜…」
「旬のサンマ」
「うーん、美味い」
「白飯が合うなぁ」
「ずず、ず〜…」
「うごぁ!」
「さ、サンマの小骨が刺さった…
だ、誰か…助けて…」
どれ、私が鍼をして差し上げましょう。
「お、おじさん、誰…?どこから入って来たの?」
ふふふ…、細かい事は気にしないで下さい。
厥陰心包経 流中
経別は喉を通る
ここだな。
私、失敗しないので。
効けよ、間使!
うおおおおおぉぁああっ!!
あたぁ!
「あれ?喉が楽になった!不思議!」
良かったですね。今度から気をつけて食うのですよ。
少女は救われた。
しかし、鍼灸師「K」は少女の親に通報され、
不法侵入、猥褻物陳列罪で現行犯逮捕された。
完
「間使(かんし)」
手首から指四本上
二本の筋の間あたりにあります。
魚の小骨が刺さったら、ここを指圧してみるのも有効かも知れません。