「患者さんの顔色や脈を診たら、病状をあれこれ聞いて、病態を判断し、どこに病変があるかを理解する。このような診断がよい。」
みたいな事が「霊枢」という古典に書かれています。古典ですが患者さんと向き合う姿勢は今もほとんど変わりませんね。
脈診について一つ興味深いエピソードを紹介します。
曲直瀬(まなせ)道三 1507〜1594
織田信長や豊臣秀吉をはじめ名だたる戦国大名を治療した乱世のカリスマ治療家。
わかりやすい様に当院ブログキャラ達に俳優をしてもらいます。失礼ありませんように…
道三 50歳
俺はとある漁村へ往診へきた。
「ダァ〜!ぜ、ぜんぜえ、腰がいでえ!」
脈を診た。
……!
変化のない平坦な脈…
これは「死脈」
腰以外は健康そうな青年だが…
事故か戦か。天命には逆らえぬ。
「あ、あう、あう〜!」
脈を診た。
…!
この青年も「死脈」…
まさかりが頭に刺さっている以外は健康そうだが…
その後、何人みても「死脈」
これはおかしい。
もしや
皆の衆!すぐに荷物をまとめて緊急避難だ!
その後、漁村は天災により壊滅しました。
道三の機転により漁村の大勢の命が救われたという、治療を超えたファインプレイのエピソードでした。
尾ひれがついた話かも知れませんが、人体の不思議とロマンを感じる話だなと思いました。