この物語はフィクションです。(新型コロナ感染症のことではありません。)
我が家には不思議な薬箱がある。大自然の植物生薬の力を借りて、自然治癒力を高める不思議な薬たちを少し紹介しよう。
ゾクゾクっとくる風邪。この時期は怖い。
節々が痛くなったり、咳が出たり、熱が出たり。(この方が実際にはなったわけではありません)
この方の身体はどうなっているのだろうか。みてみよう。
正気の軍団。
「むむ、このゾクゾクする寒さ!邪気が体表に取り付いたな。奥まで侵入させる訳にはいかん!迎撃に向かう!」
「この邪気は…」
「寒邪…。かなり手強そうだな。」
「速やかに撃退せよ!」
「ええい、怯むな!突撃〜!」
「へ?」
「ひ、ひ〜!」
麻黄湯飲もうっと。ゴクゴク…
【麻黄】身体を温め、発汗を促す生薬の中で最も強力なもの。交感神経興奮作用があり、ドーピング検査での禁止薬となっている。
【桂皮】一般的にシナモンとしておなじみ。経絡を温めて気の流れを良くする。
「援軍と思いきや、見境なしか。なんなの?」
こりゃー!!!
お前らやりすぎー!いつも言っておるじゃろう!
【甘草】 まとめ役、強すぎる効果を緩和する。寒薬と用いれば寒を緩くし、熱薬と用いれば熱を緩くする。
む!寒さで行き場を失った肺気が上に上がり始めたぞ!
このままでは咳や鼻詰まりになる。
桂皮は経絡を温めて気の流れを改善させてくれ。
杏仁ちゃんは麻黄とともに肺気の上昇を防いでくれ。
任せて。あたしの潤しパワーで肺気の上昇による咳や鼻詰まりを防ぐわ。
【杏仁】アンズの種子。鎮咳の主成分であるアミグダリンは軽い毒性があるため、多量にならないように注意。
さあ、もう一息よ。正気のみなさんも頑張って!
「承知致した!それゆけ〜!」
おお〜!!
よし、良い頃合いのようだ。
麻黄!最後の出番じゃ!解表(げひょう、身体の表面の邪気をどかす事)を決めてこい!
うわー、暑くなって、めっちゃ汗が出てきたわ。
寒邪を発汗で追い出す事に成功!!
以下素人の個人的な意見含みます。
『麻黄湯』は3世紀に傷寒論という書物に書かれた処方です。ずいぶん昔からあるものですが、このような風邪の初期に上手く使うと素晴らしい効果が出ると思います。
ゾクゾクする風邪の初期に液体薬をお湯割りにして飲むのもオススメです。
似たものとして『葛根湯』があります。これもゾクゾクした風邪の初期にいいのですが、首筋や背中、身体の後ろ側が凝るとか痛むとか、心身の疲労などがある時はこちらを選択します。『麻黄湯』より若干マイルドな感じがします。
我が家ではこの時期の心強いお守りです。
興味ある場合はドラッグストアの薬剤師、登録販売者に相談してみてください。