刺さない鍼と伸縮テーピングがメインの自分の施術スタイルでは、あまり灸は使わない。
しかし、色々な依頼がある。灸が大活躍する場面も時々ある。
呼吸困難だが入院させてもらえなかったご高齢女性。顔面蒼白、話せない、歩けない…
他の病院でも診てもらえなかった。明日、もう一度病院に行く予定だが、鍼灸で少しでも楽になればと来院された。
手首の陽池というツボに灸をした。
このセラミック温灸器で。手軽で便利で灸効果もちゃんと出る。
刺さない鍼で腎、肺を元気にするイメージで施術。呼吸が深くなるが、またすぐにハアハアなってしまう。
また手首の陽池に灸。心陽を奮い立たせる。
そして再び刺さない鍼…
だんだん顔色が良くなって、腸がキュルキュルいいだした。
30回を超えたころから、プスプスとオナラが出だした。
ブーッ
「先生、すみません…」
話せた!終了。
手足に一穴ずつ刺す鍼をして30分くらい眠ってもらった。
何度かカーテン内を確認しに行ったが、規則正しい寝息が聞こえてきている。
その後、お連れの方に手を引かれながらだが歩いて帰られた。顔色よく目もしっかりしたから少し良くなったと思う。明日ちゃんと診てもらえるといいですね。
やはり鍼灸は素晴らしい。
その日の晩酌は格別だった。