何年ぶりかに風邪をひいてしまった。
鼻風邪だ。
30代半ばから一気に病気しなくなったのだが
小さい頃から虚弱体質だった私は近所の医院の常連さんの一人だった。
「ナオちゃん、今日はどうしたの?」
お腹が痛くて…
野太い声の親しみが持てる、寝癖がトレードマークの医師だった。
「まだお腹治らないかい?」
いや、今日は頭が…
高校生まで通った。
いつも違う寝癖で、ホントのヘアースタイルは最後まで分からずじまいだった。
私はこの医院が好きだった。
「どうれ、横になってごらん。」
剛毛が生えた肉厚の手はいつも暖かかく心地良かった。
ずっしりくる安心感。
いやん…
触診や打診で傷みが楽になった記憶がある。
今思えばやはり良い先生だったんだな〜
私は医師ではないが患者さんに触る仕事についた。
触るって患者さんに色々伝わるんだと思う。
風邪ひいてふと思い出した事でした。