この物語はフィクションであり特定の人物を指すものではありません。
マージマタンゴがあらわれた!
「肩こってヒドイのよ。
保険でやって。転んだって言ったら保険でやってくれるんでしょ?」
う、なんと強烈な…
たまに起こるこういうイベントでは一応ルールを説明する事にしている。
「当院では健康保険の取り扱いはございません。
ちなみに整骨院で保険が適応になるのは急なお怪我のみで
慢性的な症状で健康保険のご利用を希望される場合は
整形外科を受診される方がよろしいかと思います。」
「だから転んだって言ってるでしょ。
整骨院なんていっぱいあるから他に行ってもいいのよ。」
う…全然聞いてない…
どうぞどうぞ、是非他に行って下さい、って言いたいところだが
ここは丁重にお帰り頂こう。
「せっかく来て頂いたのに申し訳ございません。」
「あなた、親切のカケラもないのね。
だから待合室に誰もいないのよ。もうすぐつぶれるわね。」
…前にも誰かに言われたセリフのような…
「お仕置きよ。あたいの息のにおいをお嗅ぎ。」
マージマタンゴは毒の息をはいた!
グハッ!
く、くせえ!
カワシマは毒に侵された!
薄れゆく意識のなかで思った。
親切のカケラもないか…
だがこのような要望に応えるのが親切とは俺は思わん。
親切とは程遠い。
時代の変化とともに健康保険のルールも厳しいものになっている。
こっちも患者さん側もお互いに変化に慣れていかなくてはいけないと思うのだが…
………。
カワシマのぼうけんは終わった!
完